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納棺夫日記
納棺夫日記 (文春文庫)納棺夫日記 (文春文庫)
(1996/07)
青木 新門

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「納棺夫日記」

納棺夫日記は葬儀社の社員である著者が死体を納棺することをとおして見えてきた自分の内面の変化を記したものである。1章には納棺夫にいたる経緯、2章には様々な人の死を、3章には死を受け入れたとき、について綴られている。


いつの間に横に座っていたのか、額を拭いてくれる女がいた。澄んだ大きな目に一杯に涙を溜めた彼女であった。作業が終わるまで横に座って、私の顔の汗を拭いていた。退去するとき、彼女の弟らしい喪主が両手をついて丁寧に礼を言った。その後ろに立ったままの彼女の目が、何かいっぱい語りかけているように思えてならなかった。

車にのってからも、涙を溜めた驚きの目が脳裏から離れなかった。あれだけ父に合ってくれと懇願した彼女である。きっと父を愛していたのだろうし、愛されていたのであろう。その父の死の悲しみの中、その遺体を湯潅する私を見た驚きは、察するに余りある。しかしその驚きや涙の奥に、何かがあった。私の横に寄り添うように座って汗を拭き続けた行為も、普通の次元の行為ではない。彼女の夫も親族もみんなみている中での行為である。

軽蔑や哀れみや同情など微塵もない、男と女の関係をも超えた、何かを感じた。私の全存在がありのまま認められたように思えた。そう思うと、嬉しくなった。この仕事をこのまま続けていけそうな気がした。


世間に嫌われる納棺夫になった著者は、「何もあんな仕事をしなくてもいいだろう」「わが一族の恥だ」と親族に非難され、妻にも「穢らわしい、近づかないで!」と拒否される。そんな中で納棺夫として生きることを決意させてくれたは、かつての恋人の父の死に納棺として訪れたときの彼女の所作である。自分をまるごと認めてもらえた嬉しさは、仕事にたいする誇りと、生き方を変えることになった。社会が変わらなければ、自分の心を変えればよい。心が変われば、行動も変わる。彼は納棺夫に徹するようになった。

真摯な態度で湯潅、納棺をするようになってから、周囲の見方も変わってきた。すると、今まで見えなかったものが見えてきた。死と常に向き合っていながら、目をそらし自分の職業を卑下する仲間の言動が気になりだした。劣等感を抱きながら、金にのみこだわり仕事をする姿勢。こんなことでは世間に軽蔑されるのも当然だと思うようになった。しかし、納棺夫の仕事には、今までのどんな仕事でも味わえない充足感を感じていた。

いつの間にか、とんでもない死体になると呼び出される、死体の専門家になっていた。電車の線路や踏切などの轢死体、港や海岸での水死体、あるいは自動車内の排気ガス自殺。松林での首つり死体。列車への飛び込み自殺のバラバラな轢死体。お棺が爆発したとう異状事態。たくさんの死を経験していくうちに、今まで見過ごしていたものに目がとまるようになってきた。かがやいて見えるものがある。電車にとまった雀、アスファルトに咲いタンポポ、蛆を掃除しながら見た蛆、糸トンボの卵、これらが光って見える。その瞬間、胸がつまり涙が出そうになる。正面から死を見つめると、あらゆるものが光ってみえるのだろうか。死を正面から捉えて向き合うとき、不思議な光に出会うのだろうか。死を受け入れようと決心したとき、このような現象が生じるのかもしれない。

「死」に対するこだわりは深まるばかりだった。そこで、自分の不思議な光の体験を書物をとおして探り、生に執着せずに、死の淵に立ったとき初めて見えるのではないか。「生」から「死」へ視点を移すことにより、見えてるものあると確信する。


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コメント
ありがとうございます。
訪問ありがとうございます。
引用についてご教示いただき、ありがとうございます。なるべく早めに、今晩にも区別するようにいたします。(これから仕事ですので帰ってから…)
訪問とお教えに深く感謝いたします。
なにとぞ、今後ともよろしくお願いします。


[2008/05/23 08:08] URL | 「ふーこ」 #- [ 編集 ]

はじめまして
こちらでははじめまして。佐吉です。

ウチでも取り上げた本についての記事が2本続いていたので、とても興味深く拝読しました。こうして『百の批評よりも一つの引用』を実践されている様子には、とても真摯で好感を覚えると同時に、佐吉も見習わなければという気持ちになります。

ただ、差し出がましいことを云うようですが、こうして書籍からの引用を載せるのであれば、訪問者の方に引用か自分の文章かがわかるよう、何らかの方法で区別されたほうがいいでしょう。引用部分を枠で囲む、色を変える、字体を変える、インデント(字下げ)するなど、方法はいくつかあります。多くのサイトさんがそんなふうに自分の文章と引用とを区別されていますから、それを参考にされるとよいでしょう。

引用の効能や意義については、佐吉も大いに認めるところですが、それを引用とはっきり示さずにブログなどに載せると、最悪、著作権の侵害と取られる場合もあります。お気をつけください。

ついでに私事ながら、「あし@」については、ちょっと思うところあって退会することにしました。以降、こちらのブログには直接お邪魔するつもりです。これからも楽しみにしています。
[2008/05/22 23:26] URL | 佐吉 #- [ 編集 ]


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