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「ふーこ」

Author:「ふーこ」
読んだ本や生活のことなどを、
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本所しぐれ町物語
本所(ほんじょ)しぐれ町物語本所(ほんじょ)しぐれ町物語
(1987/03)
藤沢 周平

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「本所しぐれ町物語」

本所しぐれ町、この町に住むさまざまな人びとが織りなす物語は、どこにでもあるような、誰でもが頷き、共感できるものです。人びとの心に寄せては消える小さな波紋、わずかな不安や心の迷い、揺れるときめき…。男も女も…大してかわらない。あまり立派じゃない人びと。そこに藤沢さんは温かい視線を注ぎます。社会はそんな人びとで成り立っているとでもいうように。

☆約束
飲んだくれの父熊蔵は、酒とばくちで作った借金を10歳の娘おきちに残して死んでしまいます。しっかり者の娘は、親の借金は子の借金ですからと、2両で身売りして借金を全て返します。おきちの痛ましいまでの健気さに町の人たちは、当惑し、微かな嫌悪を感じます。けれども町を出て行く時、泣きじゃくる娘に、やっと10歳の子どもの姿を見た大人たちはホット安心して涙ながら送り出します。

☆鼬の道 ☆猫 ☆朧夜 ☆ふたたび猫 ☆日盛り ☆秋 ☆約束 
☆春の雲 ☆みたび猫  ☆乳房 ☆おしまいの猫 ☆秋色しぐれ町


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そのときは彼によろしく
そのときは彼によろしくそのときは彼によろしく
(2004/03/31)
市川 拓司

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「そのときは彼によろしく」

智史が転校先で知りあった佑司は放課後、ゴミ捨て場で過ごしていた。智史はそこで犬のトラッシュと花梨を紹介される。、佑司はひたすらにゴミの絵をかき、智史は水草に魅せられていた。佑二の夢は画家になることで、智史は熱帯魚の店長さんになることだった。有名な画家と、立派な熱帯魚屋の店長さんの一番の友だちになることが、花梨の夢だった。13歳の春、3人と一匹は、強く結ばれていた。

あれから15年以上の歳月が流れ、3人は、ばらばらになってしまった。けれども少年の日の懐かしい記憶は鮮やかだ。実際、智史は今でも初恋のファーストキスの相手である花梨が一番好きな女の子だった。そんな智史も既に30歳、結婚相談所で知りあった美咲さんと交際しはじめた。そこに突然、花梨が現れた。

少年の日の淡い恋心や夢を失わずにいる2人の少年。そこに訪れた美しく成長した少女。ひとかけらの夢を温めて愛を育んでいた3人。3人の思いをとり結ぶ人びとの思いやり。目には見えない糸でみんなが繋がっていて、シアワセを願っている。優しくて懐かしい気持ちになる物語でした。


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波打ち際の蛍
波打ち際の蛍波打ち際の蛍
(2008/07/31)
島本 理生

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「波打ち際の蛍」

島本理生さんは、読者の「また人と人とが響き合うような作品を読みたいです」という一言が、この小説のスタート地点であり、目指すべきゴールだった、とあとがきに記しています。麻由と蛍をとおして、人と人とが繋がりあうことの難しさ、もどかしさを丁寧に描写します。

川本麻由はかつて恋人からDVを受け、人と関わり合うことが恐くなり、自信をなくしてしまっている女性です。カウンセリングの相談所で植村蛍と出会いお互いに惹かれてゆきますが…。心に大きな傷を負っている彼女は心を開き蛍の気持ちを受け入れることができません。

蛍への思いがつのり近づこうとすると押し寄せてくる混乱。よせては返す波のように幾度も後戻りしてしまう。それがいつまで続くかわからない不安。蛍はそんな彼女の気持ちを包むように辛抱強く彼女の心がとけるのを待ち続けます。消えない痛みに苦しむ彼女に冷静に向き合おうとします。
かすかな希望をもって…。
それが二人の願望だと信じて…。


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気をつけ、礼。
気をつけ、礼。気をつけ、礼。
(2008/08)
重松 清

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「気をつけ、礼。」

ここに登場する先生は、いわゆる立派な先生は一人もいない。けれども子どもたちにとって先生の存在は、大きい。どんなに未熟で屈折した嫌な先生でも、ずーっと、唯一無二の先生であり続ける。いつの間にか先生が先生であった年齢を子どもたちは超える。それでも最初に出会った身近な大人としての先生の存在は変わらない。その声、姿、言葉をとおして子どもたちは大人を大人社会を知っていくのだ、と思う。

☆にんじん
にんじんは教師が小学校6年生の自分の生徒をいじめる話だ。
初めて6年生を受け持った工藤先生は教え子の伊藤和博を最初に顔を見たときから嫌いだった。だから、中学校の頃に読んだ小説「にんじん」(ジュール・ルナール)の母親に理不尽な虐待をうける少年の名を彼につけて、心の中で「にんじん」と呼んでいた。

彼の声が嫌いだった。顔が嫌いだった。背が高く大人びた顔にニキビの膿の飛び散りそうな不潔な肌が嫌いだった。ちょっとした仕草や表情が癪にさわる。たとえ新しいシャツを着ても、散髪したばかりでも、にやにやと笑う口から吐き出される息のうっすらとした濁りまでに顔がゆがんだ。吐き気さえ感じるのだ。彼の声が聞こえてくるたびに、耳の奥をかきむしられる。やることなすこと、とにかくすべてが、いやだ。そして教師だって人間だ。人間には好き嫌いの感情がある。それは、もう、人間同士が生きているかぎり、どうしようもないことだ、と思うのだった。

だから彼を30人31脚競争から外した。足の遅い彼を外すのは仕方のないことだ。でも記録は変わらなかった。ストップウォッチの伸びない記録から目をそらし偽りの新記録を叫んだ。

自分の子どもが生まれたとき我が子を抱いて泣いた。まだ目も開けていない顔をみつめ、ぽろぽろ涙を流した。にんじんのことを思って泣いたのだ。我が子の幸せを思ったとき初めてにんじんに、すまないと思った。

20年後の同窓会に現れたにんじんは先生になっていた。そして静かに言った。
「教師は完璧な人間しかなれないわけじゃないって、先生に教わりましたから」

☆白髪のニール  ☆ドロップスは神さまの涙  ☆マティスのビンタ  
☆にんじん  ☆泣くな赤鬼  ☆気をつけ、礼。


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強く生きる言葉
強く生きる言葉強く生きる言葉
(2003/04)
岡本 太郎岡本 敏子

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「強く生きる言葉」

いのちを輝かして生きた岡本太郎さんの力強く、鋭い、そして優しい言葉が飛び出て迫ってきます。

☆モットー
逃げない、はればれと立ち向かう、それがぼくのモットーだ 。

☆不条理
賭けとおし、貫いて運命を生きる、そのためにつまらない目にあい、不条理に痛めつけられても、それはむしろ嬉しい条件として笑って貫きとおす人間でありたい。ふりかかってくる災いは、あたかも恋人を抱きいれるように受け入れる。

☆芸術
自分に忠実だなんていう人に限って、自分を大切にして、自分を破ろうとしない。大事にするから、弱くなってしまうのだ。己自信と闘え。自分自身を突きとばせばいいのだ。炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無。爆発するんだ。全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが「爆発」だ。人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。いのちのほんとうの在り方だ。
ぼくが芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。”芸術は爆発だ”



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君のためなら千回でも
君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-1)君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-1)
(2007/12/19)
カーレド・ホッセイニ

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君のためなら千回でも(下巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-2)君のためなら千回でも(下巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-2)
(2007/12/19)
カーレド・ホッセイニ

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「君のためなら千回でも」(上下巻)

「君のためなら、千回でも!」ハッサンは笑顔で叫び、落ちてゆく凧を追った。ハッサンの屈託ない笑顔を見るのが、26年後のボラロイド写真のなかだとは、この時は知るよしもなかった。

アフガニスタンの首都カブール。裕福な家庭に生まれたアミールは誕生と同時に母を失ったが厳格で篤実な実業家の父と召使い父子とともに幸せにくらしていた。強く誇り高い父ババは、召使いアリとその子アッサンをとても大切にした。子どものころからアリと兄弟同様に育てられた父は、二人を家族だと考えていたからだった。ババはアミールとハッサンに分け隔てない愛情を注いだ。アッサンは読み書きこそできないが知恵と勇気にあふれた思慮深い子どもでアミールの理解者であり誠実な友だちだった。二人の間には階級、民族、宗派などによる差別があったれども人生の最初の12年間のほとんどを二人は一緒に過ごした。

「私はああじゃなかった」「自分のために立ち上がろうとしない男の子は、なんに対しても立ち向かうことのできない男になるだけだ」と父が心配するほどアミールは父とは対照的な性格だった。父を尊敬し憧れながらも父に疎まれているのではないかという不安と恐れを抱くアミールは、父に自分だけを愛してもらいたい、という切ない願望が渦巻いていた。それはハッサンへの嫉妬心としてあらわれ、12歳の冬、取り戻すことのできない残酷な仕打として現れた。

凧揚げ大会で優勝したアミールはハッサンに凧を取りに行くことを命じた。凧を追っていったハッサンは不良のアセフにつかまり性的暴行を受けてしまう。アミールはそれを目撃しながら臆病にも隠れて助けようとしなかった。以来、アミールはアッサムを見ると激しい自己嫌悪を覚えるようになる。それから逃れるためにアミールはにさらにひどい仕打ちをする。忠実なハッサンは事実を一言も口にしないで出て行ってしまう。

1979年、ソ連のアフガン侵攻から逃れるためアミール親子はパキスタンからアメリカへ亡命する。父と二人のアメリカでの生活は苦しかったが、アミールは愛すべき人を得て結婚し作家としての地位を築きつつあった。その時、一本の電話がかかってきた。それはかつての友人、ラヒム・カーンからのもので彼は「もう一度やり直す道がある」と告げた。ハッサンへの後悔の念を持ち続けてきたアミールは、ハッサンに詫びるためにタリバン独裁政権下の故郷へと向かう。しかし待ち受けていたのは、思いがけない真実だった。

時代に翻弄された少年アミールとハッサン。二人で過ごした美しい少年の日の思い出。それは呼吸のようにアミールを包む。そして教える。強い信念と勇気があれば、人はやり直すことができることを。


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露の玉垣
露の玉垣露の玉垣
(2007/06)
乙川 優三郎

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「露の玉垣」

藩を挙げて米を作りながら武家も百姓も満足に食えない。広大な土地と水に恵まれながらも潟や湿地が多いために度々水害に見舞われ、常に貧困に喘ぎ続けている新発田藩。31歳の若さで家老に迎えられた溝口半兵衛は、どうすればこの脆弱で疲れた国を守れるのか。雨や日照り、川の反乱に前途の多難を突きつけられます。

生きていくには自信と誇りがいる。家中に気高さと輝きがほしい。家老として政事に奔走することとは別に、家臣列伝編纂を決意します。たった一人の人間が残した武家社会の実像、費やした二十数年という歳月。実在の家老、溝口半兵衛長裕が1786年に書き始めた「世臣譜」は、計19巻10冊にも及ぶ書物。外題は「露の玉垣」。この運命を受け入れて家を継ぎ、家族を守り、藩をささえてきた実直な家臣たちの矜持を乙川優三郎さんが8話の短編集とした。

現代に至るまでには、このように貧しさに耐え生き抜いてきた人びとの辛い過去があったこと、その辛苦の末に我々の生活があることに深い感慨を覚えます。

☆きのう玉陰
一生の半分は自分のため、残りの半分は年貢だと思って人のために働け」遠祖の言葉はいまも吉右衛門の胸に生きている。
昔仕えた主家の嫁、橘に儚い憧れをいだいていた遠藤吉衛門は、代官と出世しながら下僕のときと変わらず畑を耕して野菜をそだてている。人づてに、橘が病の身であることを知った吉衛門は自分の作った野菜を持って数十年ぶりに橘を見舞う。密かに持ち続けてきた橘への慕情であったが、長い残酷な歳月は繊細な橘を哀れに蝕んでいた。

☆宿敵
自分の弟と夫の弟が新藩主のはじめての御国入りを先導する。弟ふたりの相役を喜ばしものとしていた姉の年だったが、弟は乱心した義弟に斬殺される。その義弟には、自分たちの三男を養子にやっていた。年は義弟の行く末と妻子の苦悩を思うと、痛切な悲哀に呆然とするのだった。
連年の災害と借上げ、終わりのない生活の苦しさ、不慣れな役目と対照的な相役、予期しない日程の変更、そういうものが重なりあった末の乱心、生きている夫のほうが哀れ、と義弟の妻苗は言い放った。年は若き日の義弟を思い起こした。苦労を重ねながら苦しみをごまかすことの知らなかった生真面目な義弟、彼はずっと貧しさと戦い続けてきたのだ。そしてとうとう負けたのかもしれない…と思った。

☆乙路 ☆新しい命 ☆きのう玉蔭 ☆晩秋 ☆静かな川 ☆異人の家 
☆宿敵 ☆遠い松原

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風の歌を聴け
風の歌を聴け (講談社文庫)風の歌を聴け (講談社文庫)
(1982/07)
村上 春樹

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「風の歌を聴け」

出版社/著者からの内容紹介
1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。


夏休みの18日間、街で過ごす僕には、
青春の殆どがこの街とともにある。

金持ちだが、金持ちを憎んでいる鼠と
「ジェイズ・バー」で取り憑かれるようにビールを飲み
退屈な夏をやり過ごす。

テンポのよい会話、さらさらした文章に、ドキッとする言葉を散りばめて
失ったもの、見捨ててしまったもの、青春の断片が脈絡なく語られている。


☆完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
☆正直に語ることはひどくむずかしい。僕が正直になろうとすればするほど、正確な言葉は闇の奥深くへと沈みこんでいく。
☆文明とは伝達である、表現し、伝達すべきことが失くなった時、文明は終わる。
☆優れた知性とは二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能を充分に発揮していくことができる。
☆巨大さってのは時々ね、物事の本質を全く別のものに変えちまう。
☆昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。
☆惜しまずに与える者は、常に与えられるものである。
☆あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている。



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切羽へ
切羽へ切羽へ
(2008/05)
井上 荒野

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「切羽へ」

出版社 / 著者からの内容紹介
夫以外の男に惹かれることはないと思っていた。彼が島にやってくるまでは……。
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。


井上荒野さんの本はさらさらと読みやすいので本をおくことさえためらわれます。一気に読みを終えて、強く惹かれあいながら愛の言葉ひとつ交わすことなく終わる恋愛小説の余韻…しみじみ味わいました。

島で小学校の養護教諭をしているセイ。そこに突然現れた石和という青年、彼を人目見たとき生じた小さな波紋にセイは動揺します。穏やかな夫との幸せな家庭生活。すべてに満足している筈の心の奥に静かにひろがる若い男の姿態。妻を心から愛する夫には、妻のかすか息づかいも、深く沈めて隠し持つ小石の色さえ鮮やかに見えます。二人の呼吸が一つとなる不安を抱えながら、なにも起こらないように言葉を閉ざしひっそりと微笑みを浮かべる夫。

抱擁することも、手を触れあうことも、親しく言葉を交わすことさえも僅かな二人の秘められたおもいが豊かに溢れて、ちりちりとした痛みさえ覚えます。島の誰もがこの二人が、特別な感情に包まれていること感じながら、口にしません。ただ、しずかさんだけが石和を見てセイに、「あんたのいい人」とたわいなく言います。

石和が島を出て、不倫相手の本土とよりをもどした月江がセイにいいます。
「妻って人種はきっと妖怪なのね。」

月江の奔放な恋愛が赤であるなら、セイのそれは芳醇な白。
静かな光を放つ白…。



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百瀬、こっちを向いて。
百瀬、こっちを向いて。百瀬、こっちを向いて
(2008/05/10)
中田 永一

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「百瀬、こっちを向いて。」

高校生の瑞々しいラブ・ストーリィ、どきどきわくわくする魅力にあふれ楽しく読める作品です。短編ながらいずれも恋愛小説の味わいに満ち堪能できました。爽やかな感動が広がります。

☆百瀬、こっちを向いて。

平凡以下の容姿、学力も運動能力とも最低ライン、社会への適応能力は小学生以下を自称する高校生ノボル。ノボルが尊敬と恩義を感じている幼なじみの宮崎先輩はバスケット部のエースでみんなの憧れです。その宮崎先輩が三角関係を隠すため百瀬陽とつき合ってくれとノボルに頼みます。先輩は誰もがうらやむ資産家の美しく気品あふれる神林先輩と交際しながら、まるで反対の性格ともいえる百瀬ともつき合っていたのです。すなおで飾らない神林先輩に見破られないように自責にかられながらノボルは百瀬と交際している演技をつづけます。が、ひりひりするほど先輩に焦がれている百瀬に惹かれてゆきます。

先輩たちが結婚して演技をやめたノボルは友人として神林先輩と四人で遊んだ「ほおずき市」の話をするなかで三人の演技が見抜かれていたこと。神林先輩を選び結婚した宮崎先輩の演技だけが未だに続いていることに愕然とします。

女子に好かれるはずも、話しかけられることもないノボルは演技をやめたあと百瀬と友だちとして親しくなります、が自分へのためらいから、気持ちを打ち明けることができません。けれども大学に合格して上京する日、見送りに来てくれた百瀬に「ずっと好きだった」こと告げます。そっぽをむいた彼女におそるおそる「百瀬、こっちを向いて。」と。

☆なみうちぎわ  ☆キャベツ畑に彼の声  ☆小梅が通る


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アフターダーク
アフターダークアフターダーク
(2004/09/07)
村上 春樹

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「アフターダーク」

出版社/著者からの内容紹介
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説

マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れる。そしてスツールから降りる。溝をトレースするレコード針。気怠く、官能的なエリントンの音楽。真夜中の音楽だ。(本文より)


美貌の姉エリと知的な妹マリ、エリとマリ、一字違いなのに全く対照的な姉妹。姉は眠り続けている。かたや深夜のデニーズで読書に耽る妹のマリ。そこで偶然に出会った田中。田中のアルバイト先であるラブホテル「アルファヴィル」の管理者カオルに中国人売春婦の通訳を頼まれたマリ。乱暴され全てを奪われた美しい売春婦は彼女と同じ19歳だった。暴行を犯すシステムエンジニア白川の表情のない生活。田中の生い立ち。彼が知る姉の一面。名前を隠してラブホテルで働くコオロギが語る過去と現在、未来に繋がる燃料としての記憶。マリの気持ちはしだいにやわらぎ初めてを姉のことを語り始めます。

たった一夜の出来事、何時もと違う場所で、自分のテリトリーの領域外で出会った人びとと言葉を交わすことによってマリの気持ちは安らぎ変化し自分の戻るべき場所を知ります。姉との関係も明らかになり、姉に包まれ保護されていた幼い記憶がよみがえってきます。マリは家にもどり、こんこんと眠る姉のベットに身を寄せてもぐり込みます。今までの関係を温めるように痛みを分かち合うように肌を寄せ合い…眠ります。

夜は明け、真新しい一日が始まろうとしているのです。


僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純にわけられているんじゃないんだ。そのあいだには陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。そして、健全な知性を獲得するには、それなりの時間と労力が必労力が必要とされる。




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食堂かたつむり
食堂かたつむり食堂かたつむり
(2008/01)
小川 糸

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「食堂かたつむり」

何千回、何万回も台所に立ち食事の準備をしてきたけれど、こんなふうに愛情深く食材に思いを巡らせたことなど一度もなかった。あたふたと準備をしてはさっさと食べ、手早く片づける。まるで何かに追い立てられるような暮らし、心をなおざりにした貧しい食卓の風景を思い知らされた。

豊かにあまやかに注がれる食物への慈しみ。食するものの命をこんなふうに愛おしみ料理をしたなら、どんな芳醇な味わい深いものができるのだろう。「リンゴの糠漬」や「ザクロカレー」はどんな味がするんだろう。美しいファンタジーは豊かな思いを抱かせる。

料理を作る。ただそれだけで、私の中の一個一個の細胞が恍惚とした。誰かのために料理を作れるだけで、本当に、心の底から幸せなのだ。

祖母が台所に立つ姿は神々しく美しい光に包まれ、私はその姿を遠くからぼんやり見ているだけで、いつだって穏やかな気持ちになった。隣で手伝いをするだけで、自分も何か神聖なことに参加しているような気分になる。

とにかく大事なことは、無心になること。大嫌いなネオコンに料理を作るのは辛い作業だけれど、そのことをなるべく思い出さないように心がけた。

イライラしたり悲しい気持ちで作ったりしたお料理は、必ず味や盛り付けに現れますからね。食事を作る時は、必ずいいことを想像して、明るく穏やかな気持ちで台所に立つのですよ。
祖母がよくいっていた言葉だった。


倫子さんにとって料理を作ることは生きること。愛すること。神様への感謝の祈りであった。

恋人に家財道具一切を持ち逃げされ全てを失ってしまった倫子さんはショックのために声が出なくなってしまします。残されたたったひとつの糠床を抱え、古里に帰り、食堂を始めます。新鮮な野菜をふんだんに使った素材を生かした料理は祖母から受け継いだもの。お客様は一日一組、メニューはありません。その日のお客さまを見つめてじっくりと取りかかります。

拒食症のうさぎ、恋人たち、お妾さん、お見合いのカップル、じいちゃんを施設に預ける家族、そしておかんの結婚式の料理。たった一組のお客様のために、ありったけの心をくだいて作られた料理は体をほかほか温め心ゆるめ、静かな幸せをもたらします。

作られる料理と紡ぎ出される物語にじんわりと心が温まるそん魅力溢れる作品です。

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