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小さな天気予報
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「手紙」兄貴…直貴は胸の中で呼びかけていた。
兄貴、俺たちはどうして生まれてきたんだろうな…。
兄貴、俺たちでも幸せになれる日がくるんだろうか。俺たちが語り合える日が来るんだろうか。
二人でお袋の栗をむいてやった時みたいに…。
「差別はね。当然なんだよ」平野社長は静かにいった。
「当然…ですか」
「当然だよ」社長はいった。
「大抵の人間は、犯罪からは遠いところに身を置いておきたいものだ。犯罪者、特に強盗殺人などという凶悪犯罪を犯した人間とは、間接的にせよ関わり合いにはなりたくないものだ。ちょっとした関係から、おかしなことに巻き込まれないともかぎらないからね。犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、しごくまっとうな行為なんだ。自己防衛本能とでもいえばいいかな」
「じゃ僕みたいに身内に犯罪者が出た者の場合は、どうすればいいんですか」
「どうしようもない、としかいいようがないかな」
「〜君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ」
「〜ただ我々のことを憎むのは筋違いだといっているだけだ。もう少し踏み込んだ言い方をすれば、我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば、家族をも苦しめる事になるすべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね」
弟を大学に行かせるために兄が犯した強盗殺人。兄の罪がのこされた弟に重く降りかかります。強盗殺人犯の兄をもつ弟ゆえに受けなければならない差別が執拗に追いかけてきて、掴みかけた夢を、恋人を引き離します。それは直貴にだけではありません。哀しいかな妻にも、幼い娘にまで及びます。
直貴はすべての差別を受け容れる覚悟をします。そして獄中の兄に現実を突きつけます。
犯罪を犯すことの怖さ。罪を償うとは、どういうことなのか。考えさせられました。↓ランキング参加中です。↓ポチで応援お願いします。


この本は読みました。
ふーこさんが引用している部分、一番印象に残っています。
なぜなら、納得できなかったからです。犯罪者の家族までその罪を償わさせるのは、酷過ぎるのではと思います。
応援凸
この部分を読んだときは息を呑んでしまいました。というか、ひるんでしまいました。でも、現実は厳しくて世間は冷たくて、正論なんだろうな、と思いながらも全面的には頷けないもやもやした状態でいました。
直貴が刑務所でイマジンを歌うラストシーンに救われました。
この本は、東野の本のなかでは、考えさせられた本です。
人間は自分と異質(加害者であれ被害者であれ)な体験をした人が身内にいると、どうしても保身に入るのは仕方ないと思います。特に加害者家族には。
自分も、もしこの弟みたいな人が側にいたら、普通にはできない気がします。
異質確率高いんじゃないかって。
でも、私も最後のシーンには涙が止まりませんでした。これで救われますよね。
「ふーこ」も最後のシーン、これで救われました。それまでのモヤモヤとした感情が晴れ視界が広がるような気がしました。ジョン・レノンのイマジンをこの場面にもってくるという著者の思慮深さにも感服しましたね。